なぜ肥満になるのか(アトキンンス博士の主張)
低炭水化物ダイエットがなぜ効果があるのか理解するには、炭水化物を摂取して肥満になるメカニズムを理解しなくてはなりません。(私も理解しているとは言いがたいのですが...)
私の理解している範囲で、説明してみます(間違っているかも)。詳しくはアトキンス本をご覧下さい。
ご存じの通り、食品に含まれる栄養は五大栄養素に分類されます。
- 炭水化物
- たんぱく質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル類
一般には、この五大栄養素は、どれも欠かしてはならないとされています。上の3つは体のエネルギーになり、三大(マクロ)栄養素と言われています。この三大(マクロ)栄養素について、もう少し役目を見てみますと、
- 炭水化物
糖質はブドウ糖(単糖類)へ分解されて吸収され、体の調節を行ったり、エネルギーとなる。脳神経細胞に不可欠(まことしやかにこのように言われていますが、実はそうではないと主張している人もいます。アトキンス本に記述があります。本当はどうなのでしょうか?)と言われている。
- たんぱく質
消化されてアミノ酸類に分解され、体内で再構成されて体の材料となったり、糖へ分解され(糖新生)エネルギー源となる。必須アミノ酸と呼ばれるものがある。
- 脂質
脂肪酸として吸収され、体の材料となったり、エネルギー源となる。必須脂肪酸と呼ばれるものが存在する。良く、脂肪は健康に良くないとして避けられる傾向にありますが、摂取しないと逆に必須脂肪酸が不足して体を壊します。
これだけでは良くわからないかも知れませんが、たんぱく質(アミノ酸)と脂質(脂肪酸)は、必須栄養素なのですが、糖質は決してそうではなさそうだということです。仮に必要としても、日頃我々が摂取しているほど必要ないのでは。エネルギーとしては、脂肪やたんぱく質でも良いわけですし、仮に脳細胞が糖質のみをエネルギーとするとしても100gも必要ないと言われています。糖質を取らなくても、必要なら体内で糖新生で合成できます。
逆に糖質を摂取しすぎると、どのようなことが起こるのでしょうか?
食事により摂取した炭水化物(糖類)は、血糖値を上昇させる
先ず摂取した炭水化物は消化器で単糖類(ブドウ糖)に分解され吸収(血液中にとりこまれ)されます。その結果、血糖値が上昇します。
血糖値が上がると、インスリンが分泌される
インスリンは、体中の細胞へ糖分(ブドウ糖)を吸収/利用するよう刺激をあたえる。 結果、糖分は体内で消費され、血糖値は下がる。血糖値が下がってくると、インスリンの分泌も収まる。
正常な状態の場合、インスリンが血糖値を安定にし糖分をエネルギーとして使用するためのコントローラとなっている。
血糖値が上がりすぎ、あるいはなかなか下がらないないと...
あまりにも血液中の糖分が多いと、体内でエネルギーとして消費できなくなります。では、そのあとは一体どうなるのかというと…
- 先ず、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられる
これは、血糖値が下がってきた時に、再び糖分へ分解されて血中に放出するための、一時備蓄のようなものと考えてよいでしょう。この程度であれば、肥満になる心配はないわけです。
- それでも余った場合、脂肪細胞へ運ばれ、体脂肪として貯蔵される。
この状態が続くと、肥満へと進行していきます。
- 脂肪細胞が処理しきれないものは、血中へ溢れだし(高脂血)、さらに血管壁へプラグとして蓄積され、いずれ血管を詰まらせる(動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの原因)ことになります。
(これにはいわゆる「悪玉コレステロール」が荷担しているそうです。)
いつのまにか糖代謝が...
食事で大量の糖分(糖質)を摂取すると、急激に血糖値が上がります。それを押さえようとして、大量のインスリンが分泌されます。当然また、血糖値が下がりますが今度は下がりすぎ、糖分(糖質)を摂取したい衝動にかられることになります。
血糖値が上下がそんなにひどくなければ良いのですが。あまりひどいと、さらに糖分を取りたくなり、だんだんその度合いがひどくなっていきます。(以前の私がそうでした。ライス1.3kgのカレーを20分以内に食べたら無料となる、某カレー屋さんにいくと、いつもライス1kgを注文していました。)
いつのまにかインスリン分泌過剰症
上記のような状態が続くと、わずかな糖分による刺激でインスリンンが大量に分泌されてもインスリンンがうまく利用できず(インスリンン抵抗)、それを補うためにさらにインスリンンが放出されるような状態になるそうです。
「炭水化物」→「インスリンン分泌」→「インスリンン抵抗」
という悪循環に陥ります。
インスリンの働きが悪くなって、いわゆる「糖尿病」へ...
さらに進行すると、いわゆる「糖尿病」になります。